蝶のように舞って。
野郎に負けない
カツッ………
ヒールの音が、倉庫に響く。
「冬羽さん、ヤバいですよ」
確実に歳上であろう金髪の女が、
煙草をふかしながら呟く。
「分かってんよ」
ターバンを斜め掛けにしたような黒い眼帯。
それが
ジュエル・バタフライである証拠。
「桜田冬羽ぁ!
うちの島を荒らしてくれて
どうもありがとうね!?」
使われなくなった倉庫の入口には、
冬羽達とは違うデザインの特攻服を着た女達。
「どういたしまして」
脚を組んで、新しい煙草に火を点ける。
「あんたみたいなガキが総長だなんて、
ナメられんのも仕方ないわ」
「ナメてちゃ後が大変だよ」
冬羽は、スッと立つと、笑顔を浮かべる白い服の女の頬を
バキッ
と、ヒールで回し蹴りした。
「覚えてな、桜田冬羽を」
冷たい目なのに、口元は笑っている。
恐ろしいものでも見るように
白い服の女達は逃げていった。