蝶のように舞って。
「冬羽さん…アタシらが片付けるって言ってるのに、自分で手下しちゃうんですから。」
さっきとは一段と違う和やかな雰囲気。
「ごめん。本能的に動いちゃうから」
冬羽も、唯一見えている左目のつけまつげを気にしながら、笑顔を見せる。
「さっきの奴等って、ナイト・ラビッツですよね?もう残ってるレディース無いんじゃないすか?」
「あとブリンブリンスターかな」
数あるレディースの中で、桜田冬羽の活躍により、ジュエル・バタフライはトップ近くまで上り詰めた。
「ブリンブリンスターは雑魚だって噂ですよ」
「安西果奈子がいるから油断は出来ない」
赤髪の女が驚いた顔をする。
「…冬羽さんって…」
「…なに、芹」
「すごい頭良いんじゃないすか?どこのグループがどこの島持ってるとか、誰がいるとか、誰が強いとか全部把握してるじゃないすか」
「…あぁ…そんなの」
知らなきゃ生きていけないんだよ。
守ってもらう為には。
「何言ってんだよ芹。頭が良くねぇとアタシらをまとめる事も総長になることも出来ねぇだろ」
「アタシには無理っすよ」
「一生下っ端だな」
「えぇ!?嫌っすよ」
笑い声が響く。