いとしのポテトボーイ
交差点で信号を待っていると、その雪沢クンたちに追いつかれてしまった。

「あ、俺、お邪魔虫だったな」

鷲尾クンはそう言って、信号が変わるとダッシュしてしまった。

「そうじゃねんだよ鷲尾!」

雪沢クンが言った。

だけど鷲尾クンは、ニヤけた顔でわたしたちを振り返り、手を振って走って行った。

「バス、乗らねえのか?」

雪沢クンがわたしに言った。

「お天気いいから歩いて帰る」

「じゃあ俺、バスで帰るよ」

「雪沢クン」

雪沢クンは信号を渡ると、バス停の方へ歩き出した。

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