いとしのポテトボーイ
「どうすればいいんですか」

雪沢クンが尋ねた。

こんな状況なのに、雪沢クンは結構落ち付いていた。

「小百合の気持ちはオマエも知っていたよなあ?」

小百合というのは、奈良岡クンが事故で死なせた等々力センパイの彼女のこと。

「知っていて、俺のこと、バカにしてたんだ?」

「してませんよ」

「滑稽だったろ? 俺のこと、アホだと思ってたんだろ?」

「思っていません」

「俺、全然知らなかったんだぜ。小百合が奈良岡に惚れていたなんて」

「・・・・・・」

「忠告してくれたって良かったと思わねえか、なあ、オネーチャン?」

センパイはわたしのほうを向いて言った。

「そ、それは・・・・・・」

「小百合が死んで、人からそのことを聞かされた。その時の俺の気持ち、想像できるか?」

「3年も昔のこと、ずっとそうやって引きずっているンですか?」

わたしは言ってしまった。

「何だと?」

「奈良岡クンだって安土クンだって雪沢クンだって、みんな苦しんでいたのに、センパイはただ恨むだけで、そんなの、奈良岡クンの苦しみと比べたら、ずっとずっとラクです!」

「俺がラクだと?」
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