いとしのポテトボーイ
「望み通りにしてやるよ! 拓也。カッコつけて吠えてるのも今のうちだぜ」

センパイは怒り狂ったオオカミのように吠えながら、強烈なパンチを雪沢クンの顔に見舞った。
それは、わたしを殴った時とは全く比べものにならない力。

あんな男でも、手加減を知っていた。
 
そう言えば雪沢クンが言っていた。

センパイは、どれだけの力でどのくらい殴れば、どれだけのダメージを受けるかちゃんと計算できる人だと。

なのに奈良岡クンを殺してしまったセンパイ。

それほど悔しかったんだ。

悔しかったら人を殺していいなんて法律はないけれど、なんだかそんなセンパイが哀れに思えた。

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