いとしのポテトボーイ
先生が出て行くと、安土クンと奈良岡クンが国見サンのところへやって来て、なんと安土クンがわたしの机の上に、向こう向いて腰掛けた。
わたしのペンケースが安土クンのお尻の下敷き。

「やっだあ」

わたしがペンケースを引っこ抜くと、安土クンは、

「お、悪い悪い。なんか座り心地が悪かったんだよな。悪い悪い」

そう言ってわたしの手からペンケースを奪い取り、その匂いを嗅いだ。

「ウン。臭くねえ。良かった良かった」

屈託のない笑顔でそう言いながら、わたしにペンケースを返してくれた。

わたしが呆気にとられていると真希チャンが、

「トイレで何してたの?」

と安土クンに尋ねた。
 
真希チャンは全く人見知りをしない。
誰にでも人なつっこく話しかけられる。
わたしはそんな真希チャンのことをとても羨ましく思う。

「タバコ吸ってたんだよ」

国見サンが答えた。

え?

タバコ?
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