いとしのポテトボーイ
それを聞いた瞬間、わたしは真希チャンが次の質問をしないでくれることを願った。
だって入学早々タバコなんて、そんな怖い人たちと関わりたくないもん。

よく見ると奈良岡クンの頬に大きな傷がある。

もしかして喧嘩? 

髪型もパーマに茶髪だし、安土クンのほうも暴走族みたい。
国見サンもこんな外見だし、この人たち、不良グループってやつ?
 
わたしの心配をよそに、真希チャンはすっかり彼らと意気投合していた。

「ねえねえ、奈津美も行くでしょ? 喫茶店」

「ええっ?!!」

「安土クンたちの先輩がやってるンだって」

真希チャンは特に安土クンのほうが気に入ったみたいで、既に誕生日とか血液型なんかを聞き出していた。

「え、ちょ、ちょっと待ってよ」
 
生徒だけで喫茶店に入ること、たった今先生が読み上げた禁止事項に入っていたじゃない?

でもみんな、わたしの不安なんか知らん顔で、安土クンたちの先輩がやっているという喫茶店に向かってしまった。


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