いとしのポテトボーイ
「安土クン、真希チャンのこと好きにはなれないの? いつもあんなに楽しそうに喋っているのに、どうしてダメなの?」

わたしは言ってしまった。

「なんでオマエがここに」

雪沢クンが怖い顔でわたしを見た。

「ごめんなさい。気になったから尾行しちゃった。本当にごめんなさい。だけど安土クン。辞めるなんて言わないで。お願いだから言わないで。一緒に卒業しようよ」

「悪かったな、奈津美」

安土クンはそう言って神社を出て行った。

「安土クンッ」

雪沢クンは黙ったまま安土クンの後ろ姿を見ていた。

「雪沢クン、いいの? 安土クンが辞めちゃっていいの? これでいいの?」

「アイツの言う通り、アイツにとって学校なんて、ナンにもない所だよ」

「どうして? 雪沢クンもそうなの? 学校のことそんなふうに思ってるの?」

「俺は違うよ。俺にはサッカーがあるし、学校がつまらないなんて思ったこともない」
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