いとしのポテトボーイ
「何だよ、天罰って」

雪沢クンがわたしの言い方に苦笑いした。

「だって悪いことしてる人は裁かれて当然でしょ? あ、雪沢クン。まさか雪沢クンも、タバコ、携帯していないよね?」

わたしは雪沢クンの胸ポケットを覗き込んだ。

「持ってねえよ」

「だったらいいけど。それにしても宮下クンたち、どういうつもりなんだろうね」

「放っときゃいいんだよ」

「放っておきたいけど、安土クンたちの悪口ばっかり言いふらしてさ。なんか気に食わない。きっと、あることないこと大袈裟にふれ回っているのよ。教室でシンナー吸ったり、挨拶を無理強いさせたりなんて、安土クンがするはずないじゃない」

「そんなこと言ってたのか?」

「言ってたわよ。ホラね、デタラメでしょ? 許せないッ」

雪沢クンはわたしの怒りに呆れているみたいだった。
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