いとしのポテトボーイ
「さっき、宮下クンと裏庭に出て行かなかった? あんなところで何してたの」

と聞いてみた。

だけど雪沢クンは「別に」と言うだけで、それ以上は答えてくれなかった。

やっぱりね。

「宮下クン、雪沢クンに仕返しを企んでいるンじゃないの?」

わたしは言ってしまった。

「はあ?」

雪沢クンは怪訝そうにわたしの顔を見た。

「どうするつもりなの? 宮下クンは雪沢クンにどうしろと言ってるの?」

「聞いていたのか?」

「偶然聞こえちゃったの」

「だったら分かってンだろ?」

「分からないから聞いてるの。宮下クン、何を言って来たの? 雪沢クンはどうするつもりなの?」

「何もしねえよ。何でもねえよ」

そう言うと雪沢クンは、男子サッカー部の部室へ入って行った。
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