いとしのポテトボーイ
「そっか。アンタ、雪沢のオンナだっけ。雪沢の素行調査ってわけか。アンタも心配だよなー。ホントいろんな噂が飛び交ってるもんな」

まーヌケヌケと。

その噂を流しているのはアンタでしょッ。
 
宮下クンはさらに続けた。

「そうだよな。彼氏の親友が大悪党だったなんて、彼女としては不安だよな」
 
宮下クンは口元にイヤらしい笑みをたたえながらわたしの顔を見た。

「こんな所じゃナンだから、どっか行こうぜ」

宮下クンは勝手に決めて歩き出した。

連れて来られたのは小さな喫茶店。

ガラの悪い高校生のグループが1組、既にそこにいた。
青いヘンテコなガクラン。
どこの高校か分からないけれど、宮下クンとは顔見知りの様子で、その中のひとりが、

「オマエの彼女? そんなのがオマエの趣味かよ?」

と言った。

「そんなの」なんてひどい言い方。

わたしってそんなにブスかな。
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