いとしのポテトボーイ
「雪沢クンはサッカー部の大切なエースストライカーなの。だからお願い。今さら仕返ししようなんて思わないで」

「仕返し?」

「するつもりなんでしょ?」

宮下クンはほかの4人と顔を見合わせた。

「そーだな。それもいいかもな」

「え?」

「今の雪沢なら、まさか暴力沙汰なんか起こさねえだろうし」

「だってさっき、その話をしていたんじゃなかったの?」

「さっき?」

「裏庭で、雪沢クンと」

「ああ・・・見てたのか。でも仕返しするなんて、そんな話はしていないさ」

「でも雪沢クンのこと脅してたじゃない」

「脅してねえよ。ただ、ちゃんと謝ってくれって言っただけだよ」

「謝る?」

「雪沢の被害者、結構いるンだぜ。そーだな、俺たちみたいなのが30人はいるかな。今度同窓会があってさ。クラスの同窓会じゃなくて、雪沢の被害者の会ってやつがね。それに雪沢も招待したんだ」

「雪沢クンは、出席するの?」

「ああ」

「それでどうするの?」

「だから謝ってもらうんだよ」
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