いとしのポテトボーイ
「あ、そっか。雪沢クンも西中だっけ? ゴメンね。西中全部が悪いって言ってンじゃないの。雪沢クンのこと悪く言う人なんていないから気にしないで」
 
ゆうチャンは「ゴメン」と雪沢クンに両手を合わせた。

雪沢クンは何か言いたそうだったけれど、そのまま黙って座った。

雪沢クンの悪い噂は、まだこれっぽっちも入って来ていない。
雪沢クンを疑う人なんて絶対にいない。

だけどわたしは・・・・・・・
 
昨日、宮下クンは雪沢クンと話し合ったばかり。
そしてわたしと会って、そのあと誰かに襲撃された。
 
雪沢クン、無関係なのかな。
 
あんなにヒドいことをしていた雪沢クン。

でも今はサッカー部のエース。

過去をバラされたくないのは当たり前。

過去をバラすと脅しを仄めかして来た宮下クン。
 
口封じ・・・・・・
 
わたしは恐ろしくなって頭を抱えてしまった。

「何してるの、奈津美?」

真希チャンがわたしの肩をポンと叩いた。
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