いとしのポテトボーイ
翌日。

先生から宮下クンの意識が戻ったことを聞いたけれど、犯人については、深夜だったことや、背後からの一撃のため、全く見ていないと言うことだった。
 
休み時間になると、今日もその話で持ち切りだった。

「金品を盗られていないと言うことは、やっぱり怨恨の線が強いよな」

井上クンが、刑事ドラマの刑事サンのようなセリフを呟いた。

「暗い公園で、しかも後ろから一撃だなんて、宮下クンを狙ったんだとしたら、よほどの顔見知りよね」

ゆうチャンもすっかり刑事気分だ。

「宮下クンて人に恨まれるような人なの?」

事件に無関心だと思っていた真希チャンまでもが参加して来た。

「便所でタバコ吸うぐらいで、特別人に悪さしてる噂は聞かないけどな」

日比野クンが答えた。

「いつもトイレで一緒にタバコ吸ってる子たちいるじゃない。彼らは何か心当たりないのかしら?」
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