いとしのポテトボーイ
「やめてッ」

わたしは店の中に飛び込んだ。

「奈津美ッ」

わたしの名前を呼んだのは安土クンのほうだ。

学校にいた頃と違って、無精ヒゲなんかはやしちゃって、ちょっと怖いオジサンみたいな安土クン。

「雪沢クン。安土クンのこと怒らないで。安土クンは雪沢クンのためにしたことなのよ。そりゃあやったことはとても悪いことだけど、でも、安土クンは雪沢クンにサッカーを続けてもらいたくて必死だったと思うの。だから安土クンこと、殴らないで」
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