いとしのポテトボーイ
次の日、雪沢クンはちゃんと登校していた。
だけど元気がない。

安土クンの件があるので元気を出せというのが無理な話かも知れないけれど、見ていて、こちらも悲しくなるほど落ち込んでいた。

「雪沢。過去のことなんか気にするな」

日比野クンが雪沢クンに声をかけて来た。 

「誰も雪沢クンのこと責めるつもりないから」

ゆうチャンの優しい言葉。
わたしの身にまで凍みて来る。

「やめないでね雪沢クン」

「今度の大会、レギュラーなんだろ? いい夢見させてくれよな」

「頑張ってね」
 
なんて素敵なクラス。

素敵なクラスメイト。

わたしは感動した。

ううん、誰より、雪沢クンが一番暖かみを感じているはず。

安土クンは安土クン。
雪沢クンは雪沢クン。

それぞれの人生。

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