いとしのポテトボーイ
「マリノスと浦和の試合、見に行かねえか?」

安土クンはポケットの中から、Jリーグのチケットを4枚出して見せた。

「4枚?」

真希チャンが「どうして4枚なのよー」

と口を尖らせた。

「奈良岡と愛子はサッカーに興味ねんだよ」

「わたしだってサッカーのルールなんて知らないよ。サッカーなんて見たくない」

真希チャンがスネた言い方をした。

「チケット手に入れるの、苦労したんだぜ」

安土クンはそう言うと、1人でお弁当を食べている雪沢クンのほうを見て、

「行くだろ?」

と、チケットをヒラヒラさせた。

「サンキュー」

雪沢クンは嬉しそうに頷いた。

「なーんだ。サッカーなんてつまんないのに」

真希チャンはガッカリしていた。
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