いとしのポテトボーイ
「だったら代わりに俺が行く」

斜め後ろの席の広井クンが会話に入って来て、チケットの1枚を安土クンの手から引き抜いた。

「だめーッ!」

真希チャンは広井クンの手からチケットを奪って握り締めた。

「はーいはい。ダブルデートの邪魔はいたしません」

広井クンはそう言って、焼きそばパンにかぶりついた。

え?

今何て?

ダブルデート?

わたしは広井クンの言葉にショックを受けた。

真希チャンの相手が安土クンだとすれば、わたしの相手は・・・・・・

嘘ぉ。

クラスの子はわたしたちのことをそんなふうに見ているわけ?
 
そりゃあ確かに雪沢クンのプレーには感動したけど。

だけどわたしの相手がジャガイモなんて。

わたしだって美形に憧れる乙女なんだから。

< 32 / 202 >

この作品をシェア

pagetop