いとしのポテトボーイ
わたしたちはお好み焼き屋サンへ入った。

安土クンが、

「マリノス焼きだゾ~」

と言ってネギを入れまくる。

なぜこれがマリノス焼きなのか理解に苦しむところだが、見事に緑色のお好み焼きのできあがった。

「愛子チャンたち呼び出そうよ」

真希チャンがお好み焼きにマヨネーズを塗りながら言った。

「土曜の夜にウチにいるわけねーだろ」

安土クンがカツオブシを山のようにかけた。

「やっだあ。わたしカツオ嫌い」

真希チャンがカツオブシにフーッと息を吹きかけて飛ばした。

「ワガママだなあ」

安土クンはそう言いながら、散乱したカツオブシを丁寧に自分のお皿にのっけた。
 
なんだかすごくいい関係だな、この2人。

素敵なカップルの誕生だね真希チャン。

「奈津美、青ノリは?」

安土クンがわたしに聞いた。
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