いとしのポテトボーイ
「あ。わたしは何でもあり」

「いいなあ、奈津美は協調性があって」

安土クンがわたしに微笑みかけてくれると、

「何よーォ」

真希チャンがゲンコツで安土クンの背中を叩いた。

安土クンは大袈裟に「うー痛い」とおどけて見せ、その鼻息でお皿の上のカツオブシがまた散らかってしまった。

「あ~あ」

まるで漫才のような安土クンと真希チャン。

男の子はきっと、こんな真希チャンのことが可愛くてたまンないんだよね。
 
追加注文したポテトサラダに雪沢クンが手を伸ばすと、真希チャンが、

「あー。トモ食いだあ」

と言って笑った。

そんな失礼も真希チャンなら許されてしまう。

可愛い子はトクだね。

「ちょっとお手洗い、行って来るね」

わたしはそう言って席を立った。
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