いとしのポテトボーイ
「ケジメつけさせてもらうには、いい機会なんだよ」

安土クンは正門に向かって歩き出した。

「だからケジメって何よ?」

安土クンは歩く速度を上げた。

わたしは殆ど小走り状態で安土クンを追った。
 
正門の寸前で安土クンは急に足を止めると、

「まだセンパイに一言も謝ってねんだよアイツ。事故直後はアイツが入院してたし、退院したらセンパイの行方がわかんなかったし」

「じゃあ、謝れば許してもらえるの?」

「・・・・・・」

「謝ることがアナタたちのケジメなの? それでもう事故のことはおしまいになるのね? そうなのね?」

「ああ」

予鈴のチャイムが聞こえて来たので、わたしたちは校舎に駆け込んだ。
 
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