いとしのポテトボーイ
翌朝。

登校して来た安土クンにわたしは噛み付いた。
だけど安土クンは、

「そんなことするわけないだろ。俺が等々力とやって勝てると思ってんのか?」

そう答えた。

だけどその言い方から、明らかに等々力センパイを恨んでいることが推測できた。

「そうだよ。勝てるわけないよ。あんな凶悪な人間に、対抗する人がいたら大バカよ」
 
そう。
人を殴って殺しちゃうような等々力センパイと、やり合うこと自体自殺行為。
 
だけどその日もやっぱり、安土クンはひとりで帰って行った。
 
わたしはすぐに安土クンの後を追ったけれど、坂を下りた交差点で見失ってしまった。

まったく歩くのが速い安土クン。

「安土の女だろ?」

わたしはガラの悪い男の子に声をかけられた。
等々力センパイと一緒にいた、髪を立てた図体のデカい子だった。
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