いとしのポテトボーイ
5、やりたいこと
5、やりたいこと


5時間目のチャイムが鳴っても、わたしと雪沢クンは屋上にいた。
今ごろ教室では、時間割変更を知らないみんなが驚いているだろうな。

ゴメン。

雪沢クンはずっと黙っていた。

「さっきの安土クン、怖かったね」

わたしは雪沢クンの横顔に話しかけた。

「安土クン、センパイをみつけてどうすんのかな」
 
雪沢クンは何も答えてくれない。

「止めてあげなくちゃいけないンじゃない? でなきゃ、奈良岡クンの二の舞いになっちゃう」
 
黙ったままの雪沢クン。

「ねえ雪沢クン。安土クンのこと助けてあげてよッ。さっき言われてたじゃない。友達を見捨てるのかって。雪沢クン、安土クンのこと見捨てちゃうわけ? 安土クンの悔しい気持ちは解るけど、止めてあげるのが友達じゃないのッ?」

わたしは、さっきの安土クンのあの剣幕を思い出しながら、あの心理状態だと、等々力センパイのことを殺しかねないと思った。

ううん、そうじゃない。
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