いとしのポテトボーイ
「それで奈良岡クンは大好きなサッカーを辞めたんだ?」
「等々力サンが見る見る悪くなっちまったよ。サッカー部やめて、学校にも来なくなった。俺も安土も何度かその彼女とは遊びに行ったことがあって、彼女が奈良岡に惚れてたことも知っていた。等々力サンが少年院に入ったって聞いた時、安土も後味悪いとか言ってサッカー部を辞めたんだ。だけど俺はやめられなかった。奈良岡だって安土だってサッカーが何より好きだったはずなのに。等々力サンの気持ちを考えて責任とるなんて言い出して。だけど俺だけは自分の気持ちを優先させたんだ。俺はサッカーを続けたい。俺だけワガママを通した」
「それはワガママとは言わないと思うよ。雪沢クン、間違っていないと思うよ」
「ホント言うと俺、責任だか何だか知らないけど、簡単にサッカーをやめちまった安土や奈良岡のこと、心のどこかで軽蔑してたのかも知れない。オマエたちにとってのサッカーってその程度だったのかよ、みたいな」
雪沢クンは静かに喋りながら、ポケットの中からタバコを出した。
「ちょ、ちょっと雪沢クンッ」
「安土も奈良岡も、俺もそうだけど、等々力サンのことは信じてた。サッカーやってた等々力サンにマジで憧れてた」
「等々力サンが見る見る悪くなっちまったよ。サッカー部やめて、学校にも来なくなった。俺も安土も何度かその彼女とは遊びに行ったことがあって、彼女が奈良岡に惚れてたことも知っていた。等々力サンが少年院に入ったって聞いた時、安土も後味悪いとか言ってサッカー部を辞めたんだ。だけど俺はやめられなかった。奈良岡だって安土だってサッカーが何より好きだったはずなのに。等々力サンの気持ちを考えて責任とるなんて言い出して。だけど俺だけは自分の気持ちを優先させたんだ。俺はサッカーを続けたい。俺だけワガママを通した」
「それはワガママとは言わないと思うよ。雪沢クン、間違っていないと思うよ」
「ホント言うと俺、責任だか何だか知らないけど、簡単にサッカーをやめちまった安土や奈良岡のこと、心のどこかで軽蔑してたのかも知れない。オマエたちにとってのサッカーってその程度だったのかよ、みたいな」
雪沢クンは静かに喋りながら、ポケットの中からタバコを出した。
「ちょ、ちょっと雪沢クンッ」
「安土も奈良岡も、俺もそうだけど、等々力サンのことは信じてた。サッカーやってた等々力サンにマジで憧れてた」