いとしのポテトボーイ
雪沢クンは交差点を渡るのやめてパン屋に戻った。

「わたしはッ、雪沢クンのことも心配なんだから。本気で心配してるんだから!」

矛盾を叫ぶわたし。

雪沢クンにあんな言い方されて、すごく悲しかった。

「奈津美ィ。買ったよォ」

友世がパン屋の紙袋を上にあげながら店から出て来た。

「ありがとう」

「大変だね奈津美」

「・・・・・・」

サッカー部に入部したばかりの頃、友世は雪沢クンのことをカッコいいと言っていた。

確かにサッカーをしている雪沢クンは素敵だけど、わたしは友世に「悪趣味ねえ」と笑ってやった記憶がある。

友世はわたしと雪沢クンのことをどう思っているのかな。

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