いとしのポテトボーイ
その日、男子部は紅白戦が行われていて、雪沢クンはいつもの、サッカーのうまい雪沢クンだった。
午前中の、あの取り乱しそうになった雪沢クンは何だったの? と疑いたくなるほど。

心配して損しちゃった。
 
だけどシュートが強引だったり、ラフプレーで警告されたり、まるで怒りをサッカーにぶつけているみたいな印象を受けた。

それとも試合になると興奮するタイプなのかな?
 
だったらそれでもいいンだけど。

「危ねーだろ雪沢ァ!」

シュートの邪魔をされた鷲尾クンが雪沢クンを突き飛ばした。

「オマエがボヤボヤしてるからだよ!」

「何だと!」

2人は取っ組み合って転がった。

「何してるんだよ!」

主将が割って入った。
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