必死こいて桜姫やってやんよ!
「よぉ〜くわかってんじゃねぇの〜。
じゃ、お喋りタイムはここまでにして〜、そろそろ…イタダキマス」
その話から逃げるようにカズはあたしに迫ってきた。
「…イタダカレマス…なんて言うかっつの!」
あと数㎝で唇が当たる、となったときに自分からソレをくっつけた。
予想してなかったのか間抜けな顔をして一瞬動きが止まる。
その顔が面白くて腹を抱えて笑いたいが、出来た隙をきちんと有効活用。
足を振り上げて横に払い、カズをベッドからおとす。
…思ったよりぶっ飛んでったな。
あたしもすぐ起き上がって床に足をつけた。
今日この服で本当に良かった。
ドレスや普通の着物だとこうは動けなかっただろう。
「…やっぱりただのオジョーサンじゃねぇってワケね」
ゆらり、気だるそうに立って。
――初めて対峙する本物の目に、背中に何か通ったような感覚に陥った。