必死こいて桜姫やってやんよ!
「ちなみに」
「ん?」
ウトウトおめめトロトロしてきた彼は面倒くさそうに言い放った。
「俺が翔龍桜引退するまで問答無用で桜姫だから。頑張ってねー」
なんやて。
なんと言いなさったこの坊ちゃん。
面倒事嫌いって言ったじゃん、桜姫なんて凄く面倒そうな肩書きじゃん、勘弁して。
って寝やがったコイツまじ最低。
揺すっても起きないしビンタかましたろか、それとも窒息死さしたろか。
ソファーの背もたれに寄っかかった憂依に向かって上体を起こし跨って。
鼻をつまんで思ったよりも柔らかかった唇を食む。
あーほんっと睫毛長い。隈あるけど肌綺麗だし。シミないし。見れば見るほど腹立つ。
なんて考えること約5秒。
…え、何も反応ないんですけど。
死んだ?え、死んだ?と焦りながらも更に5秒。
だめだ、やっぱ死んだかも。
少し様子をみようかと鼻を潰していた指を離し、続いて…と思った瞬間。
「んぅッ…!?」
後頭部を鷲掴みされ、腰も強く引き寄せられ。
食んだ口の中に生温かな何かが縦横無尽に動き回る。
抵抗できないくらい押さえつけられている身体で唯一余裕のある手を必死にタップ。
けれどもその温かなソレの動きは止まらず、むしろ逃げ回っていたあたしのソレに絡みついた。
「んんぅ…!ぅんう…っ!」
抗議の声ももはや声でなし。