必死こいて桜姫やってやんよ!
何ともいえない複雑な心境のまま周りを見渡せば、サスケも羽瑠も麻白も手に何かしらの布を持っていた。
おそらくはあたしの服だろう布だ。
…あたしもしかしていじめられてる?
帰ってこない方が良かったかな。
「お、俺…っ、俺、待ってたんスよ!」
ズビズビ鼻を鳴らしながらケイが言い、その後に羽瑠と麻白も続いた。
「俺も音寧々が帰って来るのちゃんと待ってた!」
「憂依さんが"寂しかったら音寧々さんの服握って待ってろ"って言ってたから」
「「「しっかり握って待ってた(ッス)!!」」」
そっかぁ、寂しかったんだぁ…
まるでペットだなぁ…そういえば似非双子はゴールデンレトリバーだし、ケイはポメラニアンみたいだなぁ…
そうか、寂しかったのかぁ…
行き場のない怒りの様な感情を全て憂依への視線に変換し、ペット達の頭を1人ずつ撫でて上へ行く階段に進んだ。
カンカンと一段上がる度に鳴る階段の中間から足が重くなる。
久々に会った憂依の顔が鬼になっていたみたいに、皆の顔も変わってたらどうしよう。
結構怖かったからな、あの隈のヤバめな憂依の顔。