必死こいて桜姫やってやんよ!
「おかえり音寧々」
背後から声が、と思ったらそのままバックハグ。
ぐえぇ。
高羅とスイに挟まれ、まるで気持ちはサンドイッチの具。
どうしたスイ。
君はそんなことするキャラだったかね。
「これ以上のサービスはCカップ以上になったらな」
耳元でそう囁いて離れていった彼は間違いなく以前と変わらないスイだった。
くそう、すぐになってやるからな、待ってろCカップ。
苦しいのか高羅が身じろぎして結った噴水頭が頬にあたる。
いつも見ていた人。
いつも感じていた空気。
いつも居た場所。
自分の本当の家よりもあぁ帰ってきた、なんて思うのはおかしいかな。
「ふふ…」
「ねね?」
「何ひとりで笑ってんだキモチ悪ぃ」
「…何だかスイ君冷たくね?」
「大丈夫やって、スイの奴、照れてるだけやねん。カワエーやろ?」
何それ可愛い!
「あー顔に出てないだけでめちゃくちゃ心配してたからな。もちろん俺もだけど!」
ぎゅ、とあたしの腰に回った腕とにこっと笑う顔。
あーもーかわいい!
KAWAII‼
なんなの、スイも高羅もあたしを殺したいの?
まじで萌え死ぬわ!