好きだから許した。

「なーゆーっ聞いてっ」
一時間目の授業が終わったと同時に教室のドアが勢いよく開いた。

隣のクラスのアユがあたしを呼んでいた。

まただ……(笑)

アユは嬉しいことがあったときも、悲しいことがあったときもあたしに報告しに来る。

あたしもなんでも話せるアユは親友だ。

みんなの視線はあたしとアユに集中した。

「どしたー?」

「あのねっ彼氏たーっ」

アユは跳び跳ねて言った。

「まじでっ
なんで昨日メールしてくれなかったの~?」

アユがすぐ知らせなかったことが不思議だった。
「山本なん…」

真っ白な小麦粉が心に積もっていく気がした。
あたしの頭は思考停止した。

「…そうなん…っ」

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