【短】カラフルな恋物語
メタリックなブルーは、彼の好きな色、彼のケータイの色。
あたしも好きだった色。
「………」
〝別れよう〟のたった五文字がのどの奥にへばりついて、出てってくれない。
うん。
だって、言いたい言葉じゃないから――。
あたしが言いたいのは、〝こっち見てよ〟
でも言えないし、こわいんだ。
言ったとして、どう応えてくれる?
彼のほんとの気持ちがわかんないから、憶病になっちゃったんだ。