【短】カラフルな恋物語
「……いい加減、お前、うざい」
ポロっとなにかがこぼれ始めた。
ちがう。
ブルーも、ケータイも、関係ない。
あたしが憶病になっちゃったから―
嫌われたくなくて、顔色うかがうことしかしなくなったから―
うっとおしくなっちゃったから…
「 も、っやだ… もう、やだぁ!」
だだをこねる子供よりもやっかいに、わあわあ泣き始めたあたし。
理不尽な〝限界〟を繰り返すあたしは、もうきっと、彼に嫌われる。
それは嫌で嫌で嫌だけど、止まらなかった。