【短】カラフルな恋物語
でもね、あたしは気付いてるんだ。
それに気付かないほど、鈍感にはなりきれなくて、憎い。
あたしが好きな長い指は、あの子のおでこを弾く。
あの子の前で、ものすごく高い確率で、あたしの好きな手の甲は口のところにある。
あたしの好きなきれいな腕は、あの子の頭に乗っけられてる。
そして、あたしが壊れちゃいそうなほどドキドキする……
先輩の隣には、あの子がいる。
二人、肩を並べて、一緒に帰る。
ねぇ……
このキモチは――