【短】カラフルな恋物語
「付き合ってるんですか?」
「ここはこうするんですか?」って質問するときと同じように、聞いた。
自分で自分を褒めてやりたいくらい、自然に聞けたんだ。
「え、うん。まぁ……」
やっぱり。
あたしは平然として笑って、「さようなら」って言った。
平気な、フリをした。
だって、そうするしかないでしょう。
押し殺すしか、ないでしょう。
先輩の心の瞳には、あの子しか映らないのでしょう。
あたしなんか、髪の毛一本さえも、映ってはいないのでしょう。
あたしはただの『後輩』。
同じ部活の、後輩なのでしょう。