【短】カラフルな恋物語
一度染まったキモチは、透明には戻らないかもしれないけれど。
先輩とあの子を、ちゃんと真正面から見れるような色にはなれるかもしれない。
今日、先輩が来てないんじゃないかって不安になったこと。
たまたま今日は、あの子の位置にあたしが居られて、嬉しかったこと。
先輩の下の名前の漢字の読みが、なかなか覚えられなくて、ホっとしたこと。
先輩の最後の「サヨナラ」があたしだったこと。
ぜんぶ。洗い流して。
明日の演奏会。
ほおにオレンジがかったピンクのチークをのせて、見に行こう。
【 キモチ 】
~Changing color~