手の中にある奇跡
ロッカーから、制服を取り出しながら初めて柳店長の家でご飯をご馳走になった時の事を思い出していた。

千春さんは小柄で、お人形さんみたいな人だった。
2人共、新婚でもないのに熱々で…














少しだけ…ほんの…











少しだけ…












羨ましく思った…















「ついつい…癖が出ちゃったかな…」


スタッフルームにある洗面台の鏡を見ながら、心の底に閉まった筈の感情が垣間見てとれた…



「…」


パシン!

両手で両頬を叩いて



気合いを入れる。


落ち着いて2、3回


深呼吸をする。

そして、“私”になる。
























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