手の中にある奇跡
「はい…」

「断っちゃいなさいよ~」

ベッドにうつ伏せになっている金山様にオイルを付けて行く

今日はリンパマッサージを90分。

「また、美味しい餌につられたんでしょう!」

オイルを塗ながら背中をマッサージしていく、とても50代とは思えない肌質。

「【ロナーニョ】が餌です。」

金山さんのピンポイントな質問に苦笑しながら答える。

「あら、笠ちゃん計画的ね~何かあるんじゃないの?」

たしかに、【ロナーニョ】はなかなか予約の取れない店で有名だ。前から計画してたって事かな?

「笠原マネージャーが計画的に何かをする時は、あまり良くない事が…「まさか!?プロポーズ!!」」

あるんですよね…の言葉を遮られた…

「金山さ…「2人の時は?」静香さん…」

仕事中だけれど、2人の時は名前で呼ぶように言われている。

「静香さん、プロポーズはあり得ないです。」

「どうしていい切れるのよ!絶対そうよ!」

「…し、社長と…3人なんで…」

私の発言に目を見開いて固まってる静香さん、でも次の瞬間、怖いぐらいの笑顔になった…こう…何かを企んでいるような…

「そう…社長が…」

それから、急に静かになって、んふふと笑っている静香さんが…少し…
いや…かなり、怖い。
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