恋する×秒前
「ただいまぁー」

 ドドドドドッ・・・。廊下を走る二つの足音。

「「おっかえりぃー!」」

 飛んで来た二人をいつものようによける。

「いったぁーい!麗ちゃんよけなくてもいいじゃん!愛しの姉&兄のダイブを受け止めれくれてもいいのにぃ!」
「そうだそうだ!ちっちゃいころのおにぃちゃんだぁーい好き、とか、おねいちゃんも好きだけど、おにぃちゃんもぉーって言ってくれたあの頃はどこに行った!」

 これは双子の兄と姉の光輝<こうき>と亜紀<あき>。どちらもシスコン。実は2人とも、人気のモデル。

「麗ちゃんはさぁ、なんで学校行く時に自分つくるの?」
「早く家にいる麗ちゃんに戻って!」
「着替えてくるから」

 自分にはふたつの顔がある。学校の顔と家の顔。もちろん家の顔がホントの顔。学校の顔は、メガネをかけて、三つあみをして、誰にでも敬語。それが自分のスイッチ。
 
 それは、中学生の頃から続けている。







< 3 / 18 >

この作品をシェア

pagetop