あの日の僕は。



つまり、だ。


これは僕が自然にお礼を言ったってこと?


いや。


僕はしっかりお礼言う人だってことだ。


うん。


深い意味はない。






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「ジャージ入れた。……忘れ物ナシだ」


やたらと大きいエナメルバックを肩にかけ、階段をおりた。


海里母はリビングにいない。


きっとこの時間になっても寝てるんだろう。


「行ってきます……」


静かな家に小さく言い、ドアを開けた。



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