あの日の僕は。
僕も松川みたいに何か本持ってくればよかった。
でも海里ん家にある本、極端なんだよ。
漫画の小説版か、誰かの譲りものらしき論文みたいな本しかない。
僕の家から何冊か持っていこうかな。
とりあえず今は寝るか。
「オイ!見ろよ海里!」
翔太が窓を指さした。
「ん?」
「団子屋の隣の家の苗字がみたらしさん!」
「えっ」
そんな都合よくなるはず……。
団子屋を見てみた。
の、隣……。
「翔太。あれ、みたらいって読むんだぜ」
「マジ!?」