あの日の僕は。
「卓志!」
思わず口に出してしまった。
あっ……。
やってしまった……。
翔太はきっと疑問に思って問い質すだろう。
どう対応する?
しかし僕の心配は、
「は?なにタクシーって。まさかあの学校、タクシーでここに来たのか!?」
翔太の頭に変わった。
「ずりーな!」
大丈夫かコイツ……。
「そーだな、行くぞっ」
卓志が僕を見たら終わりだ。
早く逃げないと。
翔太の背中をおもいっきり押しながら歩いた。