あの日の僕は。
「ちょい陸也!」
誰かに腕を引っ張られた。
誰だ!?
僕を陸也って呼ぶってことは前の学校のやつらか?
だとしたらまずい。
姿一緒なのにどうやってごまかすんだ。
だけど、
「俺だって!」
口を開いてないのにいつも聞いてる僕の声が聞こえた。
「か……いり?」
目の前には僕。
僕だけど僕じゃない、僕になりきってるニセ僕。
海里を見たのはいつ以来だろうか。
「久しぶり!」
「何やってんの。こんなとこ誰かに見られたら……」