あの日の僕は。



じーっと僕を見つめる。


「…………本当は小説家」


そっぽを向きながら言った。


この夢を言ったのは今日が初めてだ。


親に、将来は弁護士か医者と言われ、拒否できなくて。


ずっと我慢してた。


「そか。陸也本好きだもんな」

「なんでそのこと……」


「本棚みれば分かるって」


海里はケラケラと笑う。


なんか、ムカつく。


「海里は?」


「俺?」



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