あの日の僕は。
「なんだよいきなりぃ!」
翔太がヒジで僕の腕を突く。
翔太なりの照れ隠しなのだろうと僕は静かに察した。
「……そろそろ駅に着くな」
窓を見て僕は言う。
「その後新幹線だろぉ?テンション上がるーっ!」
翔太は腕をブンブン振る。
他の席の奴らが怪訝そうに翔太を見た。
「もうそんな元気ねーっての」
「翔太はすげーな」
「あーっ、超ねみぃ」
男らが口々に言う。
1日目でハメを外しすぎのようだ。