あの日の僕は。



確証はないけど、なぜかはっきりと言い切れる。




初めて会話する僕に話し掛けて家に連れ込むのは相当勇気が必要だったろう。




それほど、海里は苦しんでいたんだ。


だけど僕は知らなくて。








――自分のことばっかりで、人のこと考えてなかったのは僕の方だったんだ。




海里に会ったら、謝ろう。



この行動も自分勝手なのかもしれない。


でも謝ろう。




「…………松川」


「ん?」



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