あの日の僕は。
「いいよ。メール待ってる」
疑問に思ったが、とりあえず答えた。
「……うんっ」
松川の笑顔は今まで見たのと比べものにならない位、キラキラしていた。
それにしても。
行きとは大違いな静かさだ。
みんな疲れ果てているのか眠ってしまっている。
さっきまでハイテンションな翔太までも、だ。
「…………あ」
いいこと思いついた。
音を立てないように翔太のカバンからケータイを取り出す。
ごめんな翔太。
そして気付かないでくれ。