あの日の僕は。



順序とか言葉がおかしくなっていたけど、母さんはしっかり聞いてくれた。









――今なら、言える気がする。


言っても意味がないと思って言えなかった僕の気持ち。







「……僕、小説家になりたい」







「陸也。でも……」



「分かってる。もしかしたら一生売れないかもしれない。先が見えない未来だ」



だけど僕の夢だから。


小さい頃からなりたいっていう憧れだったから。



だから。






「僕はそれでも後悔しない」






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