あの日の僕は。



「別にいい。大丈夫」


「ダメ。来年受験なんだから今からやらないと」


もうやってるじゃん。


受験なんて考えなくていいほど勉強してんじゃん。


「高校はいいところに行かないと。そこから始まってるの」


それは何回も聞いた。


聞き飽きた。


「…あなたは上にいかなくちゃいけないのよ」



その言葉で……。









――僕の中で、何かが切れた気がした。










気付いたら僕は椅子から立ち上がり……、


「もうウンザリだ」


そう呟いていた。



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