あの日の僕は。
「こんちは!」
「こ……こんにちは」
「俺卓志!君、名前なんてゆーの?」
「ま、松川ですっ」
「松川何?」
「えと……」
卓志、初対面の奴でもこんな感じなのか。
松川困ってんじゃん。
僕はいてもたってもいられず卓志をペシッと叩く。
「お話は終わり。十分陸部見たし帰るぞ」
「え~。もう少し松川さんとお話した……」
「なんかゴメンな、松川。僕ら帰るから」
卓志の言葉を遮り、松川に向かって微笑んだ。